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『日本歯技』2018年2月号巻頭言



顎口腔機能学を再考する

 日本の歯科技工の水準は、世界のトップレベルにあると言っても過言ではない。それは卓越した技術力と同時に、しっかりとした基礎知識の習得の上に成り立っているように思う。しかし、歯科医療の発展に伴い、習得しなければならない事柄は日々進歩している。顎口腔機能学もその一つである。
 1995年に新たな履修科目として歯科技工士教本「顎口腔機能学」が発行され、2007年に新歯科技工士教本、2016年には最新歯科技工士教本と、時代に合わせ改訂が続けられている。内容は、旧教本の「歯冠修復技工学」、「有床義歯技工学」にあった「下顎運動と咬合器」の項目に、顎口腔の解剖学と生理学を加えたものになるのだが、改訂のたびに新規項目の追加、不要項目の削除等が繰り返され、現在の最新歯科技工士教本は初版本に比べ、6割程度のページ数となっている。
 今の学生は解剖学や生理学を苦手とする傾向があると聞くと仕方のないことかもしれないが、近年の研究で、顎口腔系が脳や全身へも影響を及ぼすことが明らかとなっている。歯科技工士として生体に調和した補てつ物等を作成する上では、形態だけではなく機能も回復させる必要がある。そのためには、歯科医師と歯科技工士が専門職として議論しあい、ともに知識を深めることも必要だろう。
 現在の顎口腔機能学は解剖学や生理学など多岐に亘っているが、特に、歯科技工士にとって最も関連性が深い顎関節や咬合に直接関与する筋群等に特化して習得することで、下顎運動や咬合器をより深く理解できるのではないかと思う。
 重ねて、この分野で、われわれ歯科技工士は専門職としてしっかりとした知識を持っていなければならない。こうした認識があってこそ日本の歯科技工士は世界トップレベルの歯科技工士であると言えるのではないだろうか。
 
 
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