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『日本歯技』2018年3月号 巻頭言


『日本歯技』 2018年3月号
 


歯科技工士の需給を考える四つの視点
 

 歯科技工士を志す若者の減少が将来の歯科技工士の需給に及ぼす影響が懸念されている。そもそも18歳人口の著しい減少が前提であり、言うまでもなく、このことは歯科技工士に限ったことではない。
 その歯科技工士の需給を考える場合、四つの視点が必要である。

 1.歯科技工士養成所・学校経営上の志願者、受験者、入学者の数
 2.歯科技工所経営上の新卒一括採用時の数、若手数、年齢を問わない求職者数
 3.歯科診療所にとっての委託局面での歯科技工所(士)の数
 4.日本の歯科医療を支える上で、将来にわたり過不足なく歯科補てつ需要を満たし、歯科科技工士が世代交代し、歯科医療と歯科技工の質を保つ上での数

 これらの視点に立って、需給バランスが崩れた場合の「不足」が意味するところのしっかりとした内容分析が求められる。
 また、歯科技工士の需給を考える場合は、歯科医師数との関係、人口との関係等を指標として測ることもできる。就業する歯科医師数と歯科技工士数の比率(歯科技工士/歯科医師)は、厚生労働省発表データ(平成28年末現在)から計算すると0.331となる。また、年齢階級(年齢層)毎の比率を計算することで長期の変化を観察できる。歯科医師・歯科技工士数比率の25歳~64歳の5歳刻みの各年齢階級の数値は0.290~0.377の範囲にあり、その散らばりは0.331を中心に-0.041~0.046という狭い幅の中にある。平成29年の歯科医師と歯科技工士国家試験の合格者比率(歯科技工士/歯科医師)は0.498であった。就業する歯科技工士数と歯科医師数の比率0.331を0.167上回っており、一定の余裕があることがわかる。
 一方、歯科技工士の需給と最も関係の深い歯科医療需要は、人口減少という大きな変化とう蝕等の改善に伴い、歯の形態回復を中心とした治療は減少し、機能回復や疾患等の予防に対する需要が増加すると予想されている。日本歯科医師会は「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」(平成26年10月)で、「今後の新規参入歯科医師数約1,500名、総歯科医師数82,000名を上限とする」としている。
 将来にわたり過不足なく歯科需要・歯科補てつ需要を満たすためには、時代に即した歯科技工士養成と歯科技工士の就労環境の改善、離職防止が課題であり、関係当事者が個別の短期的利害のみにとらわれず、長期的視点から歯科技工士需給を理解しなければならない。

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