日本歯科技工学会九州・沖縄支部 平成26年度総会・学術大会が、熊本にて開催される

2014-08-25

(一社)日本歯科技工学会 九州・沖縄支部平成26年度総会・学術大会が、平成26年8月24日(日)に、熊本市民会館崇城大学ホールに於いて開催されました。
今回は、九州・沖縄支部学術大会の第十回の記念大会でもあります。

川島 哲先生による基調講演を皮切りに、次に齋木好太郎先生による記念講演がありました。

午後には、オーラル発表が行われ、大分県技から大分県歯科技術専門学校野見山和貴先生「歯科学生におけるICTリテラシーの現状」と題して発表されました。

また、会員によるデモンストレーションやメーカーによる器材展示も行われました。




基調講演

パーシャルデンチャーのすべて ~私の40年間の経験~
Ail the Partial dentures~Experience for40 years of mine~

川島 哲 (有)ユニデント代表

講演抄録
 “超”高齢化社会における欠損補綴のボリュームセラーである、デンチャー需要に対して、様々な観点から提案する。 それは40年間の、 患者に寄り添う経験にもとづいての臨床報告である。
 患者の熱い思いを形として創り上げる“心の歯科技工学”をもとに、 口腔内で絶妙に調和するデンチャーライフの経験を経ても、 セオリー完成には今後数年はかかる。 いまだに発展途上とはいえ、 私の研究心は衰えない。
 多数歯欠損における口腔解剖学の加齢変化に対応しながら、 口腔模倣を原則とし審美性をも手中に収め補綴構造設計を基礎と したデンチャーの持つ実力はあなどれない。同時に、 ビジネスモデルと提案した 「キャストパーシャル」 のマテリァルチョィスと最新の製作技法にも触れるとする。
 今回は、その中間報告と思うが、それでも“命”をかけた患者思いの結果であれば、インパクトがあるはず。
 これからも私の経験を踏み台にして、 口腔模倣学のその上に君たちの “夢” を具体化すればよい。 その方がより効率的なはずだし、 患者さんもゆとりあるデンチャーライフに歓喜するに違いない。今回は熊本県で、多数歯欠損補綴の“実力”と“永続性”を経験を基に語ることで、気絶するほどの講演を心したい。





記念講演

高齢化社会における歯科技工士の役割
A dental technician's role in an aging society

齋木好太郎(日技認定講師・ラボラトリーオブ プリンシピア代表)

講演抄録
 我が国においては、過去に例を見ない速さで高齢化を迎えております。
高齢化に伴う身体器質・身体機能・精神的変化が起こることはよく知られているところです。そして、 口腔環境においても同様であり、とりわけ、歯の喪失は高齢化のバロメーターの1つとされています。
 このように、加齢、高齢化による口腔環境変化により顔貌形態・口腔内免疫機能・顎口腔運動機能などの変化が生じ、それに伴う種々な弊害や機能低下が起こることもよく知られ、最近ではそのェビデンスも確立しつつあります。
 不幸にして器官が失われた場合や加齢による機能低下が生じた場合、1番目の咀嚼器官である「歯」 に関しては、我々歯科技工士がその知識と技術を以て形態再現、 口腔内器官の1つとして口腔形態・機能の再構築をおこなっているところであります。我々が歯科医療分野で担当している歯科技工は、 単に歯の形態や色調の再現のみではなく、 ロ腔機能と大きく関わっておりますし、それは、口腔内に止まらず隣接器官、全身の器官、機能にも影響を及ぼしていることが知られております。 そして、このことを歯科技工士が承知しているかいないかに関わらず、ひとたび我々が製作して歯科医師により装着された歯科修復装置はその影響を及ぼすこととなります。
 このように、我々の歯科技工は大変重要な仕事でもありますしその重要性をよく理解した上での歯科技工作業が必要と考えております。今回の講演では、 このような点についてお話しをさせて頂きたいと思います。





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