『日本歯技』2022年12月号巻頭言



財務管理・日技厚生会・全国国民年金基金

 一般会計収支予算の内訳を見ると、当該組織・団体が何を重要視し、どこを目指しているのかを窺い知ることができる。本会の年間収入の約80%は会費収入であり、公益社団法人であるがゆえ会費収入以外に頼ることにも限界がある。このような収入の中で、中長期視点で事業計画を策定し、環境の変化に伴って濃淡をつけながら予算の構成を見直すと共に、その方向性を会員に示さなければならないのである。母体を支えている会員一人ひとりが十分に理解し、納得のいく施策を示すことが執行部としての重要な役割の一つと考える。
 本会には“会員が安心して、豊かで、潤いある生活を送るために”を目標とした「日技厚生会新共済制度」がある。会員の福利厚生の充実を図るための任意加入の制度であるが、会員の相互扶助と制度内容充実の観点から、また効率的かつ安定的な運営のためにも、より多くの会員に加入していただきたいものである。
 「全国国民年金基金」のホームページをご覧になれば詳細がお分かりいただけるが、平成31年4月1日、全国47都道府県の地域型国民年金基金と職業別に25あった職能型国民年金基金のうちの21基金が合併し全国国民年金基金となった。規模を大きくすることにより運営基盤が安定し加入者の安心に繋がる。また、職業制約が無くなるため個人経営の歯科技工士やフリーランサーでも加入できる(ただし国民年金第一号被保険者に限る)。例えば「フリーランスの知り合いがいるので国民年金基金を紹介したい」等の場合、本会では全国国民年金基金との間で加入希望者の紹介業務を委託契約しているので、年金基金の職員が出向き制度についての説明等を行ってくれる。個人立の歯科技工所で生計を立てている場合、老後に不安を感じることがあるかもしれない。「サラリーマンには厚生年金があるけど、自分には国民年金しかないから老後の生活が難しそうだ」と思う人も少なくないだろう。国民年金基金は自営業者やフリーランサーの老後を支えてくれる年金制度である。
  
 
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